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「大地よ……わたしがいないほんの少しのあいだだけ眠っていてね」 豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネーがある日野原で水仙の花をつんでいると、 突然冥界の王ハデスが現れ、ペルセポネーを冥界へさらっていきました。 その後ハデスは兄ゼウスの体裁を受けペルセポネーは母のもとへ帰れる日が来ましたが、 その直前に彼女は冥界のザクロの実を食べていたのです。 冥界の食べ物を食べると、もう地上には戻れません。ペルセポネーは1年のうち4ヶ月は 冥界で暮らすこととなり、母デメテルは悲しみのあまり、その間は作物も実らず木も葉を落 とす「冬」を作りだしたのでした。 ----- この絵は、まるで冥界と地上のはざまにいるようです。 ペルセポネーがおだやかな笑みをたたえていられるのは、 デメテルの愛情を一身に受けている証拠なのです。 |